臓器名 | 大腸(結腸と直腸) |
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臓器の特徴・働き |
消化管の中では最後の部分で、小腸と肛門の間の1.5m~2mほどの臓器です。 消化吸収の作用はほぼありません。 前半部分で電解質・水分の吸収を行い便を固形にし、後半部分で便を一時的に便を蓄積し排便を調整します。 |
危険因子 | 大腸がんにかかる割合(罹患率)は年々増加しています。2019年の統計では、年間約15万5000人が新たに大腸がんと診断され、男女総数では日本でもっとも多いがんとなりました。男女とも40歳代から増え始め、年齢を追うごとに罹患率が高まります。 生活習慣の欧米化(高脂肪・低残渣食)が増加の背景にあり、運動不足、肥満、喫煙、飲酒などが生活習慣のリスクとなります。家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などが代表的ですが、遺伝的な要因も発症に関与しています。 |
症状 | 早期がんではほとんどが無症状です。 進行がんでは、出血・腹痛・便通異常が主症状とされますが発生部位により症状が異なります。内容物が固形に近い肛門に近い部位に発生した場合は、血便や便が細くなるなどの症状が出現します。盲腸や上行結腸などに発生した場合は管腔が大きく内容も水溶であるため症状が出にくく、貧血やしこり(腹部腫瘤)、腸閉塞などの症状で発見されることがあります。 |
検査・診断 | 検診で便潜血反応が陽性になった場合や大腸癌を疑わせる何らかの症状があった場合には、次の検査を行います。 ①大腸がんがあるかどうかを診断するための検査 注腸造影検査・大腸内視鏡検査・CTコロノグラフィー ②大腸がんの拡がりを診断するための検査 CT、MRI、超音波検査、PET検査、腫瘍マーカー(採血) |
治療 |
大腸がんの広がり具合(進行度)をステージ(病期)で表しますが、3個の因子によって決まります。 T(深達度):がんが大腸の壁に入り込んだ深さ N(リンパ節転移):泥リンパ節までいくつの転移があるか M(遠隔転移):肝臓や肺など大腸以外の臓器や腹膜への転移の有無 治療には内視鏡治療・手術治療・薬物治療・放射線治療がありますが、がんの病期と患者さんの全身状態を考慮し決定します(図4) |
この疾患における 当院のアピール |
進行大腸がんに対して根治ができる唯一の治療法が手術です。2018年4月から直腸がん、2022年4月から結腸がんに対して保険診療で手術を行う事が可能となり、現在では当院においてすべての大腸がんに対してロボット支援下手術を保険診療で行う事が可能となりました。従来の開腹手術・腹腔鏡手術、最新のロボット手術も含めて、患者さんにあった最適の手術治療を迅速で行っていきます。(治療写真:図5~10) ロボット手術の詳細はこちら |