当院の病理診断科は1999年4月に「病理科」 として新設され、2012年4月から 「病理診断科」 と名を変え、標榜科になりました。病理診断科の医師(病理医)は、直接患者さんにお目にかかることはほとんどありません。 患者さんの体から採取された小さい組織片(生検材料)や、 外科手術あるいは内視鏡手術などで切除された臓器、 あるいは尿や喀痰などに含まれる細胞から顕微鏡標本を作製し詳しく観察して、病気なのかどうか、 病気だとすればどのような病気なのかを判断し、次の治療の指針を示すことを主な業務にしています。
患者さんが希望される場合は、病理診断室に来ていただいて実際に標本を見ながら病理医が診断内容について直接説明することも可能です。 あるいは、 他院で診断された顕微鏡標本についてセカンドオピニオンを述べることもあります。いずれにしましても、事前に当院の各臨床医とご相談の上、ご連絡していただけると幸いです。
組織診(生検診断、手術切除標本診断、術中凍結迅速診断)、細胞診、病理解剖が主な業務です。当院では年間約5,000件の病理組織診断と約6,000件の細胞診を行っています。 検体の内訳としては手術・生検ともに上部・下部消化管が多いですが、肝胆膵、前立腺や膀胱、子宮内膜・頚部の検体も多いのが当院の特徴です。 とくに臨床診断と病理診断の結果が一 致しない症例では、 臨床医と病理医が綿密に検討して診療方針を決定しています。 希少例や診断困難な症例の場合は、 京都府立医大や滋賀医大の病理部と連携して診断に当たることもあります。また、院内の病理解剖症例についてCPC(臨床病理カンファレンス)を年に2回程度実施しています。
常動病理医は現在2名で、診断はダブルチェックを行っています。病理医は全診療科から提出される検体を診断する必要があるため、全科・全臓器を細羅できることが大前提ですが、各病理医には得意分野があります。濱田は長年、消化管腫瘍を主な対象として研鑽を積んできました。最近は炎症性腸疾患の病態解明と病理診断や、細胞診による膵がんの早期発見に注力しています。また、臨床や国内外他施設との共同研究も熱心に行っています。益澤は、腫瘍はもちろんですが炎症性疾患(腎・肝・皮膚)や感染症(抗酸菌・CMV・ジアルジア)などの診断も得意としています。特に腎生検の病理診断をサブスペシャリティーとしており、研究会や学会で講師を務めることもあります。
年間病理組織診断 | 約4,300件 |
年間細胞診 | 約4,700件 |
消化管がん | 81件 | 肝臓がん(転移・再発を含む) | 20件 |
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食道がん | 3件 | 胆道(肝外胆管)がん・胆嚢がん | 9件 |
胃がん | 24件 | 肺がん(転移を含む) | 82件 |
小腸がん | 0件 | 乳がん | 41件 |
大腸がん | 54件 | 前立腺がん | 34件 |
膵臓がん | 5件 | 腎・腎盂・尿管がん | 32件 |
役職 | 診療部長 (病理検査室長兼務) |
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学会認定医等資格 | 日本病理学会病理専門医・病理専門医研修指導医・学術評議員、日本臨床細胞学会細胞診専門医 |
役職 | 非常勤医師 |
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学会認定医等資格 |