診療科・部門一覧

呼吸器内科

診療内容・特色

当科は京都府立医科大学呼吸器内科の関連病院で呼吸器疾患全般に対して常勤医師3名、非常勤医師2名で診療を行っております。
地域の急性期病院にある当科は、救急や一般外来で呼吸器疾患の患者さまを広く受け入れています。
主に急性期の呼吸器疾患、アレルギー性疾患、感染症疾患、びまん性疾患、そして悪性疾患と幅広く診療しています。

近年、医療の進歩に伴い、各疾患の診断・治療がより高度、専門性を要することが多くなってきました。私たちは日々、最新の医療情報・知識を取り入れて、大津市を中心とする地域の患者さんに提供できるよう、日々励んでおりますので、呼吸器疾患でお困りの際はご相談ください。

肺がん

検査

かつて、気管支鏡検査は苦痛を伴う"地味"な検査でしたが、一昨年に導入した超音波気管支内視鏡により、診断能力が向上しています。
現在は高分解能CTの気管支読影術「(気管支)枝読み」とともに、超音波気管支内視鏡を用いた細かな病変の診断は、安全で正診率の高い検査となっています。
また、苦痛を和らげるため、必要な鎮痛や鎮静薬を併用しますので、安心して受けていただけます。

治療

内科で行う治療は、主に進行期の全身抗がん剤治療です。
最近、個別化治療と言われる、患者背景や様々なバイマーカーに基づく、最適な治療薬を決定するアルゴリズム(ガイドライン)が存在しますので、治療薬決定のためにも、しっかり組織をサンプリングしておく必要があります。
バイオマーカーの代表が、網羅的な遺伝子解析で、遺伝子パネル検査と呼ばれます。現在、合計9個の治療可能な遺伝子ターゲットが存在します。
バイオマーカーにより陽性がわかると、それに紐づく効果が期待できる抗がん剤がわかります。

近年の肺がん診療は、集学的治療を行うケースが増えました。呼吸器外科(手術)や放射線科(放射線治療)との連携が必須です。
当院には内科医、呼吸器外科医、放射線治療医ともに、緩和ケアには専従の医師、看護師、病棟があり、「包括的」に肺がん患者さんを支える設備があります。
肺がん治療において初回治療は必ず入院で施行しますが、その後は患者さんのライフスタイルにあわせ外来でも治療が可能です。当院は滋賀県下で数カ所しかない緩和ケア病棟を有する病院でもあり、何らかの症状を有していた場合やご家族も含めた心のケアが必要な場合に肺がん治療と並行して緩和ケアを行っています。各科と連携の上、患者さんお一人おひとりにあった医療を提供できるよう努めています。

専門外来

肺がん二次検診外来を開設しました。
待ち時間が発生しやすい一般診療と切り離すことで、短い待ち時間で忙しい方でも受診しやすく、一日でCT撮影と診察を受けていただけます。

【肺がん二次検診外来】
対象:一次検診で異常を指摘され、二次検診を勧められた方
外来:毎週木曜日 午後1時~2時
内容:胸部単純CT撮影後、外来診察
報告:外来受診一週間後に二次検診の結果票を記入し、紹介状を作成し郵送します
持参いただくもの:一次検診の結果票、紹介状、健康保険証その他の証明書(老人医療受給者証など)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

2025年には団塊の世代が75歳以上になり、今後、入院から在宅にシフトする動きがあります。身体活動性という概念が大変重要になってきます。特にCOPD患者さんは、労作時呼吸困難のため、あまり動かなくなり、寝たきり(廃用症候群)になる可能性が高くなります。労作時の呼吸困難の改善のために、積極的に作用機序(薬剤が人体に対して何らかの効果を及ぼす仕組みやメカニズム)が異なる複数の気管支拡張剤を含む合剤(LAMA/LABA)を導入しています。最近2種類の気管支拡張剤LAMA/LABAに吸入ステロイドが配合された「トリプル製剤」が保険適用になりました。主な適応は、ガイドライン上からはCOPD気管支喘息が合併している場合です。当院では患者様の症状の改善のために積極的に様々な吸入薬を使用しています。

それでも労作時呼吸困難が続く場合には、症状の改善のために非薬物療法として、当院リハビリテーション部 田中 大 理学療法士のもとで、外来もしくは入院にて呼吸筋力トレーニングを併用した呼吸リハビリテーションを施行しております。欧米では以前から行われていましたが、本邦においては最近話題になっています。当院では滋賀県下でも呼吸リハビリテーションを早期に導入しました。COPDによる労作時呼吸困難で困られている場合は、当院呼吸器内科を受診のうえご相談ください。

気管支喘息

気管支喘息患者さんの中には、一定の割合で経口ステロイドを投与しなければならない重症の患者さんがおられます。それでも喘息発作は起こります。近年、経口ステロイドを内服することによる副作用が話題になっています。喘息をコントロールし、経口ステロイドを減量する目的で、重症喘息に対して生物学的製剤という「注射」が使用できるようになりました。好酸球を抑える抗IL-5抗体、IgEを抑制する抗IgE抗体、さらにIL-4/IL-13を抑制する抗IL-4抗体があります。当院では様々な病態に応じてこのような生物学的製剤を使い分けて使用しております。使用された患者さんは経口ステロイドを減らすことができ、且つ症状が改善し、大変喜ばれています。喘息で困られている患者さんは当院呼吸器内科を受診のうえご相談ください。

間質性肺炎

間質性肺炎は診療に難渋する疾患です。当院では速やかに診断するために呼吸器外科と連携し、積極的に胸腔鏡下肺生検を行い診断しております。当院で診断治療が難しい場合は、間質性肺炎を専門とする医療機関に紹介できるよう、連携をとっております。

睡眠時無呼吸症候群

臨床工学技士が24時間、院内で勤務しているので睡眠時無呼吸症候群に対するポリソムノグラフィー検査を1年365日毎日検査が可能であり、患者さんのライフスタイルに合わせています。CPAP療法については継続することが重要であり、治療のマスクを患者さんに合うように選択し、マスクフィッティングを行ったうえで導入しております。CPAP療法については遠隔モニタリングが保険適用になる前より導入しており、患者さんそして医療従事者の利便性を考えています。

咳(せき)について:病院広報誌『つなぐ』第5号より

とまらない咳でお困りではありませんか?咳の種類やその治療法などをご紹介しております。ぜひご覧ください。

病院広報誌『つなぐ』はこちら

咳(せき)について

COPD(慢性閉塞性肺疾患)に対するリハビリテーション教育入院について

COPD(慢性閉塞性肺疾患)と言う病気はご存じでしょうか?タバコを吸っておられる方や以前吸っていた方の肺の病気です。40歳以上の8%つまり12人に1人がCOPDだと言われています。主な症状は、動いたときに息切れや呼吸困難を感じられること、痰や咳が常に感じられる等があります。中でも動いたときの呼吸困難感は日常生活の妨げとなりますが、薬物療法と併用する形でリハビリテーションを実施し体力・筋力を鍛えることで呼吸困難感は改善されると近年提唱されています。

当院では2018年度より、呼吸困難感改善を目的に吸気筋を鍛える器具であるパワーブリーズを使用して1ヶ月間のリハビリテーション教育入院を行っております。1ヶ月の入院で動けなかった人が退院時には動けるようになったと実感できるようになった方もおられます。医師、看護師、理学療法士が中心となりCOPDに対してサポート致します。(文責:リハビリテーション部 理学療法士・3学会合同呼吸療法認定士 田中 大)

対象の病名・症状

  • COPD(重症の慢性閉塞性肺疾患)
  • 動いたときの息切れ・呼吸困難
  • 運動することに億劫になっている
  • 体力・筋力の衰え

リハビリ風景

POWER breathe(R)での呼吸筋トレーニング
POWER breathe(R)での呼吸筋トレーニング
 
COPD体操
 COPD体操

実際の使用機器*株式会社エントリージャパン画像提供
実際の使用機器 *株式会社エントリージャパン画像提供

 

主な症例(手術)と件数

2021年度

(単位:件)

気管支鏡件数(延べ) 66
外来化学療法件数(延べ) 456
ポリソムノグラフィー施行件数 34
CPAP療法導入件数 0

スタッフ紹介・学会認定医等資格

竹村 佳純

役職診療部長
学会認定医等資格日本内科学会認定医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本呼吸器内視鏡学会専門医・指導医・評議員、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、京都府立医科大学臨床教授

井ノ口 乃英瑠

役職医員
学会認定医等資格日本内科学会認定内科専門医

古室 太誠

役職専攻医
学会認定医等資格

森田 大毅

役職専攻医
学会認定医等資格

辻 尚朗

役職専攻医
学会認定医等資格

平井 聡一

役職非常勤医師
学会認定医等資格日本内科学会認定内科医

外来診療担当表

診療受付時間 8:30~11:30(診療時間 8:45~17:15)

  • 医師の都合により、休診または代診となる場合があります。予めご了承下さい。
  • 午後の診療は、原則として予約となっておりますので、詳しくは外来受付窓口へお問合せ下さい。
  • 赤字は女性医師です
診察場所 診察時間
3診 C1-3 午前 交代制
午後
2診 C1-4 午前 合田 古室 平井 交代制
午後 交代制 肺がん2次検診外来
1診 C1-5 午前 竹村 森田 井ノ口
午後 森田 竹村 古室 井ノ口

手術日

月曜日・木曜日

募集・採用について

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