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小児科 主な疾患

成長障害(低身長)

子どもの成長について

子どもの成長にはある一定のパターンがあります。出生直後の赤ちゃんは約50㎝、1歳で75㎝となり、その後は年齢に応じて数㎝ずつ身長が伸び、思春期に入ると再び大きく身長が伸びます。平均的には男の子で11歳半、女の子で10歳ごろから思春期がはじまりその前後から身長のスパートが始まります。思春期の後半になると身長の伸びは低下し成人身長となります。

成長曲線とは

男女別にたくさんの子どもたちの成長の記録を集計し、年齢や月齢ごとに身長や体重の平均値を曲線でつないだものを男女別標準成長曲線といいます。また同年齢の子どもたちの集団は平均値を中心に正規分布を示しますが、平均値からのばらつきの大きさを標準偏差(SD)を使って表します。このグラフに子どもの身長や体重を記入していくと、その子自身の成長曲線を描くことができ、平均からどの程度離れているかがわかります。

低身長とは

子どもの成長の異常を見つけるには成長曲線上の平均からのずれの大きさが目安となります。子どもの成長には個人差がありますが、成長曲線で身長が-2SDを下回るとき(同年齢の100人のうち低い方から2~3番目)や、正常範囲内でも成長曲線が標準から離れていく(身長の伸びがわるい)場合は低身長であり、小児科医への相談が勧められます。

低身長の原因

①成長を調節しているホルモンの異常(成長ホルモン、甲状腺ホルモン、性ホルモンなど)
②染色体の異常
③小さく生まれたことが関係しているもの(SGA性低身長症)
④心臓や腎臓、肝臓、腸などの病気
⑤骨や軟骨の異常
⑥心理社会的原因
⑦病気ではないもの(家族性低身長症など)

低身長のため受診する子どもの多くは⑦ですが、①~⑥の場合は治療や対応が必要となります。

外来での診察、検査

・問診
出生時の様子やこれまでの病気の既往、家族の身長や病気についてお聞きします。また身長体重を測定し、持参された成長の記録を元に成長曲線を作成します。

・血液や尿の検査
全身的な病気の有無を調べるためにスクリーニングを行います。また各種ホルモンの検査を行います。

・レントゲン検査
手の骨のレントゲン写真を撮ります。骨の発育の程度(骨年齢)を調べます。

精密検査

・成長ホルモン分泌刺激試験(負荷):入院で行います。
・東部MRI検査:成長ホルモンを分泌する下垂体の形や大きさの異常、脳腫瘍の有無などを調べます。
・染色体検査:女の子の場合、ターナー症候群の診断のため検査することがあります。

治療

成長ホルモンは、自宅で注射する薬です。1日1回、あるいは週1回の注射が必要です。
子どもが小さい場合は家族が注射しますが、年長児であれば自分で注射することができる場合もあります。

この疾患における
当院のアピール

成長障害は子どもの年齢ごとにいろいろな原因があります。当院では適切に診察、検査をすすめ、必要に応じて治療を行います。受信の際は母子手帳と成長の記録(幼稚園や保育園、小学校など)をご持参ください。