白内障とは眼の中の水晶体が濁る病気です。ヒトの目はよくカメラにたとえられますが、カメラのレンズに相当する働きをするのが水晶体です。
この水晶体が白く濁り、視力が低下する病気が白内障です。
白内障手術は、この水晶体の濁りを取り除き、人工の水晶体を移植する手術を行います。したがって、網膜や視神経など他の部分の働きに問題がなければ、手術をおこなうことで視力の回復が期待できます。
白内障の進行や他の合併症の有無によって個人差がありますが、通常の場合、手術時間は10~30分程度となっています。
水晶体前嚢の切開 黒目と白目のさかいを 3~5 mm程度切開した後、水晶体の前の膜を直径約5mmの円形に取ります。 |
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水晶体の中身の乳化吸引 超音波白内障乳化吸引装置を用いて、水晶体の中身を乳化し吸い出します。 |
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眼内レンズの挿入 空になった水晶体嚢内に、直径6mmの眼内レンズを折りたたんで挿入します。 |
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眼内レンズの固定 眼内レンズは、眼内レンズを支える脚により、水晶体嚢内に固定されます。 |
手術をうけるにあたって問題がないかどうか、全身検査が必要です。全身状態によっては、手術に支障をきたすこともありますので、内科などで検査を受けていただく場合があります。
現在治療中の病気がありましたら、必ず医師に申し出てください。
また、眼内に挿入するレンズの度数を決めるための眼科的な検査も必要です。
<全身検査項目>
血液検査、心電図、胸部X線写真、その他
<眼科検査項目>
視力検査、角膜曲率半径測定、角膜内皮細胞検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査、眼圧検査、超音波検査(眼軸長検査/断層撮影)、その他
入院期間は片眼で1泊2日です。また、健康な方で家族の協力が得られ通院が可能な方であれば日帰り手術もできます。 回復の早い方なら手術翌日から視力改善が体感できますが、回復には個人差があります。目の状態が安定するまでは十分な安静と点眼などの加療が必要です。
通常の場合、術翌日(日帰り手術の場合)・1週間後・2週間後・1ヶ月後(日帰り手術、入院手術にかかわらず)と通院していただきます。
両眼とも手術をされる方の場合、一度に両方はできませんので、7~30日間をあけて片眼ずつ手術します。したがって、その分多くの通院期間を見込んでいただく必要があります。
眼に他の病気や合併症がある方、糖尿病などの全身疾患のある方では、それ以上の通院が必要になることもあります。視力回復の早さも個人差がありますが、お仕事をされている方の職場復帰については、担当医師とよくご相談下さい。
手術後は最低でも1~3ヶ月は点眼が必要です。
また、目の状態が安定してからも、定期的な診察が必要となる場合があります。詳しくは担当医師とご相談ください。
手術名 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | ||
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入院 | 白内障手術 眼内レンズ挿入 |
片 | 25,000円 | 45,000円 | 60,000円 |
外来 | 白内障手術 眼内レンズ挿入 |
片 | 15,000円 | 30,000円 | 45,000円 |
手術は局所麻酔でおこないます。
麻酔がよく効いていれば術中に強い痛みを感じることはまずありません。もし痛みを感じることがあれば、麻酔を追加し、しっかりと麻酔が効いた状態で手術をおこないますので、ご安心ください。無理に我慢するとご本人が苦痛であることに加え、無意識に目が動いてしまったり血圧が上がったり、手術の進行の妨げになることもあります。
心配な方は担当医師とよく御相談ください。
手術当日、午前から手術を受けられる方は、朝食は半量で済ませてください。薬は普段と同じように服用してください。 午後からの手術を受けられる方は、朝食は普通に食べていただいて結構です。昼食は半量で済ませてください。薬も普段と同じように服用してください。
手術室入室前から、手術衣への着替え、散瞳剤などの点眼、血圧測定、入室前の点滴があります。点滴をつないだまま車椅子で手術室へ入室します。
入室直前にトイレを済ましておくようにしましょう。
手術前後は必ずしもご家族や関係者の付き添いは必要ありませんが、不安な方は手術時に付き添いの方にきていただくことをお勧めします。
手術は局所麻酔で行います。血圧計や心電図モニターの電極をつけ、目の周囲を消毒し、目を洗眼して仰向けに寝た状態で顔の上にカバーをかけておこないます。
手術がはじまったら、急に顔や体を動かすことは非常に危険です。
その点を心掛けていただければ、手術もよりスムーズに進行します。
手術中はときどき医師や看護師のほうから声をかけますので、痛みなどもし何か異常を感じるようなことがあれば、なるべく、そのときに言うようにしてください。
手術は約20~30分位で終わります。医師を信頼し、精神的安定を心掛けましょう。
手術をした後、すぐに起きあがることも可能ですが、医師の許可が出るまで安静にしていただきます。(術後約30分~1時間)
その後はお食事を食べていただくことができます。
手術直後は眼球保護のため眼帯を装着しますが、目をこすったり、直接さわったりしないように注意し、翌朝の診察まで眼帯をはずさないようにしてください。
横向きで寝る場合も、眼球を強く圧迫しないよう、手術をした目を下にして寝ないようにしてください。
手術翌日の朝に眼科の検査や診察をさせて頂き、問題がなければ帰宅できます。
視力が回復しても、目の状態が安定するまでは数か月かかるといわれています。手術後の加療と日常生活に気をつける必要があります。
術後もしばらくは点眼と定期的な診察が必要ですので、注意してお過ごし下さい。
手術直後から可能です。
ただし洗顔は翌々日から可能となります。眼の中に水が入らないよう十分に注意し、目をこすったりせず目の周囲を拭く程度にしてください。
手術翌々日から、洗顔可能です。
洗顔する際は眼の中に水が入らないよう十分に注意し、目をこすったりせず目の周囲を拭く程度にしてください。
手術翌日から首から下ならシャワー・入浴が可能です。手術翌々日より洗髪も可能です。
目の中に水が入らないように十分に注意し、最初のうちはあまり熱い湯につからず、さっと済ませるようにしましょう。
術後しばらくは重いものを持ったり激しい運動をしたりするのは控えて、徐々にもとの生活に戻すようにしましょう。
特に手術後1ヶ月くらいは人混みなど埃っぽい場所への出入りをなるべく避けて無理をしないようにしましょう。
術後大きなガーゼを装着します。危険ですのでタバコ、お酒はお控え下さい。
視力が回復し見え方が安定すれば、疲れない程度に目を使うことは全く問題ありません。ただし手術前と度数が変わるため、目の状態が安定してから以前のメガネを再調整する必要があります。
★ 術後の回復には個人差がありますので、詳しくは担当医師とよく御相談ください。
白内障手術は、目の中の濁った水晶体を取り出し人工の眼内レンズと入れ替える手術です。眼内レンズを挿入しない場合は強度の遠視になります。過去の白内障手術では眼内レンズを使用しなかったため、術後に分厚いメガネやコンタクトレンズの装用が必要なことがありました。
眼内レンズは一度手術を受けて目の状態が安定すれば、定期的な診察以外に手入れをする必要はなく、そのままでもある程度よく見えるようになります。
しかし、より良好な視力を求めるのであれば、それぞれの患者さんの生活環境に応じてメガネをあわせていただいくことになります。
また、白内障手術を受けた目は、老眼の進んだ状態と同じく、ピントをあわせる調節力がほとんどありません。そのため、術後の度数(眼内レンズの度数)を遠くにあわせると遠方はハッキリみえますが、手元がぼやけてしまいます。逆に、近くにあわせると手元はハッキリみえますが遠くがぼやけてしまいます。
通常、術後の度数を中間距離(1~2m)に合わせることが多いため、よりハッキリ遠く、よりハッキリ近くを見えるようにするには、それぞれの使用距離に合わせたメガネを使用していただくことになります。
術後、目の状態が安定するまでは度数が変わります。手術後のメガネについては、担当医師とよく相談してから作成してください。
その他、分からないことなどがありましたら、担当医師やスタッフにお尋ねください。
まず、眼科診察を受けていただき、手術の適応があれば、全身検査を受けていただくことになります。
全身検査で問題がなければ、手術日程を決めさせていただきます(現在の手術待ち期間の目安は2ヶ月となっております:2024年2月時点)。
詳しくは、スタッフにご相談ください。
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