本邦における鏡視下手術、すなわち腹腔鏡下手術及びロボット支援腹腔鏡下手術は増加の一途をたどっており、年間20万件超の手術件数となっています。拡大視野による精確性、患者様への低侵襲性および整容性といった長所の一方で、技術革新が並行しているにも関わらず、臓器・血管損傷など術中・術後に追加治療を必要とするレベルの合併症が0.5ないし1.0%の頻度で発生しており、その多くは経験の少ない医師とその施設で起こっています。文献や学会でも報告されていることですが、鏡視下手術の大きな課題のひとつが“安全な鏡視下手術特有の技術を早く習熟させるトレーニング”です。
「高度鏡視下手術トレーニングセンター」は、“若手医師が実臨床で術者たりうる鏡視下手術の基本技術を身につけるためのトレーニング施設”および“若手・中堅医師が各学会における腹腔鏡手術の技術認定医取得を目指すトレーニング施設”としての先進的なドライラボセンターを設立しました。
各科の鏡視下手術を志す若手・中堅医師
ドライボックスを用いて複数のタスクの練習とテストを受講、それぞれのタスク項目の精度と所要時間を指導医(各科の腹腔鏡手術技術認定医、本センターには5名(外科2名、泌尿器科3名)います)が評価します(タイムトライアル→練習期間→指導医による精度と所要時間の評価試験)。一定の基準をパスした後に実臨床手術の執刀を許可します。
欧米や本邦のドライラボで評価の高いTmedix社製のラパロトレーナー(TLT-01CCD)を中心とする3台のドライボックス(Fig. 1)
ACS(American College of Surgeons)のFLS(Fundamentals of Laparoscopic Surgery)やEAU(European Association of Urology)のEuropean training in basic laparoscopic urological skills(E-BLUS)といった欧米で広く活用され、その有用性が報告されているbox model training program(Fig. 2)
(参考)
http://www.flsprogram.org/index/fls-program-description/
http://uroweb.org/education/online-education/surgical-education/laparoscopy
役職 | センター長 (泌尿器科診療部長兼務) |
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学会認定医等資格 |