病院の案内

2024年度

2024年度 市立大津市民病院 病院情報の公表

医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省)

  • 厚生労働省「病院情報の公表の集計条件等」に基づき集計し、公表しております。
  • 2024年6月1日から2025年5月31日までの退院患者で一般病棟に入院した患者が対象です。(一部対象外あり)
  • 表中の「‐(ハイフン)」は患者数が10件未満であることを示しております。
  • 「診断群分類別患者数等」および「診療科別主要手術別患者数等」について、上位の患者数が全て10件未満の診療科は公表しておりません。

「病院指標」

「医療の質指標」

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 439 138 117 135 227 553 875 1749 1720 611

集計条件により含まれていない症例もありますが病院全体では集計期間中、下は0歳から上は106歳までと、
幅広い年齢層の診療を行っています。
平均年齢は66.5歳ですが、中央値は74歳、最頻値は77歳です。70代・80代が多く、70歳以上が全体の約6割を占めています。
50歳を過ぎたあたりから徐々に患者数が増えていく傾向にあります。定期的に健診(検診)を受けるなどし、病気の早期発見・予防につなげましょう。
小児患者は気管支炎や肺炎などの気道感染症が中心ですが、鼠径ヘルニアや停留精巣など小児の外科手術も始めました。

※年齢は入院時の年齢で、90歳以上は1つの階級で示しています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 79 32.47 20.78 26.58 87.77
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 62 13.23 11.35 4.84 70.37
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 47 16.38 13.66 6.38 78.87
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 28 16.07 16.40 10.71 84.36
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害〔低ナトリウム血症等〕 手術なし 27 14.37 9.83 7.41 78.52

総合内科・救急診療科との連携により、肺炎や尿路感染症などの一般的内科疾患に加え、糖尿病・内分泌、腎臓、血液の各専門医による専門性の高い医療を提供しております。

最も多い症例は「誤嚥性肺炎」で、平均年齢87.77歳と嚥下機能が低下した高齢者などに多い肺炎の一つです。
物を飲み込む働きを嚥下機能と言い、口から食道へ入るべきものが気管に入ってしまうことを誤嚥と言います。誤嚥性肺炎は、嚥下機能障害のため唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより発症します。
また、誤嚥性肺炎の入院は内科だけではなく、患者さんが元々持っておられる疾患により他の診療科でも多く受け入れていますので、病院全体で見ても最も多い症例です。
さまざまな疾患を併せ持つ高齢患者さんに対しては、病気を総合的にとらえQOL(生活の質)を最大限に考えた全人的医療を提供しております。

次に多い症例である「慢性糸球体腎炎・慢性腎不全」は腎臓内科の分野です。
腎臓内科では、蛋白尿・血尿の精査から、慢性糸球体腎炎・糖尿病性腎症をはじめとする慢性腎臓病の治療、透析の導入から維持透析の管理まで腎臓病全般の診療を行っています。

心療内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
170050xxxxxxxx 神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害 12 20.50 6.75 0.00 37.58
161070xxxxx01x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病あり〔脂質異常症等〕 - - 6.07 - -
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし - - 3.58 - -

当科を受診される方で最も多いのが不安神経症、適応障害、身体表現性障害などの神経症例です。
入院治療に関しては、専門病棟がないため原則として行っていませんが、切迫した精神状態にある患者さん(重症な不安・抑うつ、自殺願望など)や、行動管理が必要な患者さんなど、緊急に入院治療が必要な方は、適切な入院先へご紹介します。

小児科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 52 5.71 5.61 0.00 5.50
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1小児食物アレルギー負荷試験あり 52 1.00 2.10 0.00 3.96
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 51 1.45 2.96 0.00 1.90
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 38 4.63 6.22 0.00 1.42
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 32 4.75 6.38 3.13 3.22

大津医療圏の基幹病院の一つとして小児全般の疾患を幅広く診療しています。
1年を通して様々な感染症の流行があり、肺炎や気管支炎など呼吸器感染症での入院症例が目立ちました。
入院は呼吸器や消化器の感染症症例が中心になりますが、食物アレルギーに対する1日入院での食物経口負荷試験なども積極的に行っています。
また、停留精巣など小児外科疾患に対して日帰りや1泊入院での手術も行っています。

外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 51 4.80 4.54 1.96 71.16
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 50 7.98 7.05 2.00 65.42
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 44 6.16 5.99 0.00 60.20
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 39 5.79 5.32 0.00 39.56
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 28 16.18 14.81 7.14 74.25

最も症例数が多かった鼠径ヘルニアは 「脱腸」とも呼ばれ、下腹部の足の付け根あたり(鼠径部)がポッコリ膨らむ病気です。
おなかの筋肉の膜が脆弱となりできた穴から皮膚の下に腸などの内臓が腹膜をかぶったまま飛び出します。
放置するとだんだん大きくなったり、飛び出した腸が戻らなくなったりする可能性があります。

当科では、『キズの小さく痛みの少ない患者さんに優しい腹腔鏡手術』を積極的に取り入れています。
麻酔科の協力のもと胃がん・大腸がんなどの悪性疾患、胆石症や鼠径部ヘルニアなどの良性疾患、さらに虫垂炎や急性胆のう炎などの救急症例を含め、腹腔鏡手術を可能な限り積極的に施行できる体制を整えています。
体の負担の軽く回復の早い腹腔鏡手術は、入院期間も短くできます。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 139 28.65 25.29 59.71 83.97
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 38 7.97 5.95 0.00 72.66
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 21 22.00 19.16 47.62 80.76
160720xx01xxxx 肩関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 18 24.11 14.04 22.22 71.83
160820xx01xxxx 膝関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 17 31.06 28.71 58.82 69.47

四肢・脊椎の骨折や脱臼に広く対応しています。
地域の高齢化を反映して、骨折が多くなっています。
特に、大腿骨近位部骨折(股関節周囲の骨折)は高齢者が多く、平均年齢83.97歳です。
治療後は約6割の患者さんが引き続きリハビリ等のため専門病院へ転院されています。
近年増加している高齢者の大腿骨近位部骨折に対しては、早期手術と地域連携パスを活用した回復期リハビリ病院との診療連携により、安心で質の高い医療を提供する体制を構築しています。
また、骨粗鬆症を有する大腿骨近位部骨折患者に対して、骨折を繰り返さないよう二次性骨折の予防にも取り組んでおります。

脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2④エダラボンあり 定義副傷病なし 47 16.45 16.89 34.04 73.70
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 27 15.59 18.68 51.85 67.30
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり〔慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等〕 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 8.16 9.83 4.00 76.84
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 25 5.92 7.99 16.00 68.76
010060xx99x20x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2②リハビリテーションあり 定義副傷病なし 13 15.31 16.94 23.08 79.62

脳卒中には、脳の血管が詰まって起こる「脳梗塞」、脳の血管が破れて起こる「脳出血」と「くも膜下出血」があります。

当科で一番多かった症例は、急性期脳梗塞を発症し脳を保護する薬であるエダラボンを投与した症例です。
エダラボンは、発症後24時間以内の投与開始により脳梗塞急性期に伴う神経症候、日常生活動作障害、機能障害を改善します。
また表中5番目の症例も脳梗塞ですが、こちらはエダラボンや血液の固まりを溶かす薬(tPA)は投与していない症例です。
表中2番目の症例が、脳内出血(外傷以外の理由により脳内の血管が破れ、大脳、小脳及び脳幹等に出血した状態)で内科的治療やリハビリ療法を行った症例です。
脳卒中の治療は早ければ早いほど効果が上がります。
脳卒中を発症した患者さんは、当院で急性期の治療を終え、自宅や社会復帰に向けてリハビリテーションを行うために、回復期リハビリテーション病棟を有する病院へ転院する場合があります。

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2なし 28 10.54 9.82 0.00 70.46
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 11 7.82 9.59 0.00 42.91
160450xx99x10x 肺・胸部気管・気管支損傷 手術なし 手術・処置等2あり 定義副傷病なし - - 10.79 - -

当科で最も多いのは、肺がんの手術症例です。肺癌はほぼ全症例に、侵襲の少ない胸腔鏡での手術を行っています。
その他にも気胸・縦隔腫瘍など呼吸器外科全般にわたって治療を行っています。
負担の少ない術式や胸腔鏡アプローチを中心に早期の日常生活復帰・社会復帰をめざしております。

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 22 2.68 2.66 0.00 69.64
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 15 3.20 7.38 0.00 76.27
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、①心臓カテーテル法,③心臓電気生理学的検査あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 14 5.57 9.59 0.00 83.00
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等2①人工呼吸あり - - 20.84 - -
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2なし - - 3.82 - -

下肢静脈瘤においては、低侵襲で高周波ラジオ波やレーザーを用いて血管内を焼灼したり、接着剤(グルー)を用いた治療を行っております。
下肢静脈は重力に逆らって血液を心臓まで戻さなければなりません。そのため、静脈には弁が存在し、血液の逆流を防止しています。
下肢静脈瘤とは静脈弁が壊れ、下肢に血液が逆流することで起こります。下肢静脈が瘤状になり、美容上の問題だけでなく、静脈うっ滞により色素沈着や潰瘍ができる事があります。
入院期間は1~3日程度で、日常生活へ早期復帰が図れます。

心臓血管外科では、滋賀医科大学 心臓血管外科、京都府立医科大学 心臓血管外科教室および当院循環器内科との緊密な連携の下に心臓および血管疾患全般にわたる診療を行っています。
また内科(腎臓内科)と連携して血液透析のための内シャント造設術や、最近、増えてきている透析患者さんに対する手術治療も行っております。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり片眼 208 2.04 2.49 0.00 76.27
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.08 - -
020200xx99x1xx 黄斑、後極変性 手術なし 手術・処置等2アフリベルセプトあり - - 2.13 - -

白内障の手術症例が中心です。
白内障とは眼の中の水晶体が濁り視力が低下する病気です。
白内障手術は、この水晶体の濁りを取り除き、人工の水晶体を移植する手術を行います。
入院期間は片眼で1泊2日です。また、健康な方で家族の協力が得られ通院が可能な方であれば日帰り手術も選択できます。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 22 6.91 5.84 0.00 56.14
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 19 8.00 7.35 0.00 20.00
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1終夜睡眠ポリグラフィーあり 18 2.00 2.02 0.00 53.94
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 11 5.91 4.67 0.00 66.91
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 定義副傷病なし 10 7.30 7.65 0.00 42.70

最も多いのは「慢性副鼻腔炎(ふくびくうえん)」の手術症例です。
鼻(鼻腔)の周りには、「副鼻腔」と呼ばれる4つの空洞(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)が左右一対ずつあります。
この空間内で炎症が起きている状態を「副鼻腔炎」といいます。「蓄膿症」と呼ばれることもあります。
風邪などの上気道感染を契機に、急性期は鼻づまり、ドロっとした匂いのする鼻汁、頬・鼻周囲・額の痛み、顔やまぶたの腫れ、発熱などの症状を認めます。
慢性副鼻腔炎はこれらの急性期症状を繰り返し慢性化した場合のほか、アレルギー性鼻炎や気管支喘息に合併した好酸球性炎症を基礎として生じます。
慢性化した場合は、まず薬物療法を行いますが、それでも改善しない時には手術が検討されます。
現在、手術は「内視鏡下鼻・副鼻腔手術(Endoscopic Sinus Surgery:ESS)」が主流です。
全身麻酔で行い、入院は1週間程度です。

鼻・のどの手術症例を中心に、睡眠時無呼吸症候群に対する一泊入院での睡眠ポリグラフィー検査やCPAP療法なども行っています。

皮膚科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 28 12.39 12.98 3.57 71.11
070395xx970xxx 壊死性筋膜炎 手術あり 手術・処置等1なし 10 31.60 35.40 20.00 70.10
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 9.33 - -

最も多いのは、蜂窩織炎(ほうかしきえん)の症例です。
蜂窩織炎とは、皮膚の小さな傷から細菌が深部に入ることで起こる感染症です。
とくに足に起こりやすく、感染が起こると赤く腫れて熱が出ます。治療は抗生物質の投与と安静になります。
可能な限り入院していただき、抗生物質の点滴を1週間~10日間程度行います。

蜂窩織炎に似た皮膚の病気で、壊死性筋膜炎があります。
同じ皮膚の細菌感染ですが、もっと深い筋膜の感染で、筋膜に沿って細菌が広がります。
こちらは急速に進行し、適切な治療が行われないと命に関わる可能性があります。
初めは軽傷に見えても、強い痛みを伴い、発熱や水疱、皮膚壊死の兆候がみられることもあります。
緊急入院のうえ、外科的な処置、抗生剤使用、全身管理が必要になります。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1前立腺針生検法あり 71 2.01 2.45 0.00 70.61
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 48 6.67 6.81 0.00 74.15
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 39 6.62 5.16 0.00 65.10
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 29 7.90 7.77 0.00 74.83
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 21 15.29 11.11 0.00 73.10

最も多い症例は、前立腺がんが疑われる場合に行う検査「前立腺針生検法」です。入院期間は1泊2日です。
当院では、MRI-超⾳波融合画像診断システム「ARIETTA65」を導⼊しており、これにより従来の⽅法よりも精度の⾼い前⽴腺針⽣検が可能となります。
従来の前⽴腺針⽣検では、がんが疑われる部位の正確な位置を把握することが難しく、まんべんなく複数個所に⽣検針を刺して組織の採取を⾏っていました。
MRI-超⾳波融合画像診断システムでは、事前に撮影したMRI画像で、ターゲット(がんが疑われる部位)をあらかじめ特定し、⽣検針を刺す際の超⾳波画像上にMRI画像を重ね合わせた(融合させた)画像を描出することが出来るため、穿刺すべき場所の特定とピンポイントでの穿刺・組織採取が可能となります。

前立腺針生検法の結果、前立腺がんと確定され手術となる場合、当院では「ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術」を行っています。(表中5番目)
ロボット支援手術は、ロボット支援技術を加えることで複雑な手術手技をより安全に行うことを可能にした手術機器です。
患者さんにとっては、傷口が小さい・出血量が少ない・術後の痛みが軽く早期の社会復帰が可能というメリットがあります。

呼吸器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 63 28.03 20.78 20.63 86.32
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1経気管肺生検法,EBUS-TBNAあり 手術・処置等2なし 60 4.07 3.03 1.67 73.62
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 36 16.06 16.40 2.78 83.64
0400802299x000 肺炎等(市中肺炎かつ15歳以上65歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なしA-DROP スコア0 17 7.35 8.13 0.00 39.24
040110xxxx00xx 間質性肺炎 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 17 25.41 18.68 5.88 74.41

最も多い症例は、誤嚥性肺炎です。
誤嚥性肺炎とは、飲み込む機能が低下し、食べ物や唾液などが誤って気道内に入ってしまうことから発症する肺炎です。
当院では医師・看護師・言語聴覚士・歯科衛生士・管理栄養士などにより構成された摂食嚥下チームがあり、脳卒中や高齢などにより摂食嚥下機能に障害のある患者さんに、誤嚥性肺炎や窒息などのリスクを回避し、安全においしく食べることを支援します。

次に多い症例は、肺がんが疑われる場合などに行う検査「経気管肺生検法」です。
最新の気管支内視鏡システムと、超音波内視鏡を導入しているので、正診率の高い経気道的腫瘍生検が可能です。
かつて気管支鏡は、つらい検査とよく言われていましたが、最近は苦痛を最小限に抑える様に、鎮痛、鎮静を十分に行うため安心して受けていただけます。
当科では肺癌と診断された患者さんに遺伝子検査など様々な検査結果に基づいた、個別最適な治療法を提案しております。
また、手術や放射線治療が必要な患者さんは当院呼吸器外科や放射線科と連携し、治療を受けていただけます。

肺炎とは、細菌やウイルス感染により肺におきる急性の炎症です。かぜと肺炎は別の病気ですが、鼻やのどの炎症により細菌が肺に入りやすくなるので、かぜが引き金でなることがよくあります。
肺炎の症状には、発熱、せき、たん、呼吸困難、胸痛などがあります。ただし、高齢者の場合は時に肺炎の症状があまりなく、肺炎を疑いにくいことがあるので注意が必要です。
肺炎は感染症なので、原因となる細菌やウイルスを殺す治療(抗菌薬や抗ウイルス薬)がまず必要です。かくたん検査で原因となる菌をはっきりさせ薬を選択します。
原因となる菌がわからない場合、いろいろな状況から菌を推定して薬を選択します。

間質性肺炎は診断、治療に熟練、専門性を要する疾患です。間質性肺炎の原因としては、過敏性肺炎や薬剤性肺障害などがありますが、原因がはっきりしないものを特発性間質性肺炎と呼びます。

循環器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、①心臓カテーテル法,②心臓カテーテル法(冠動脈血流予備機能測定等加算あり)あり 手術・処置等2なし 121 4.70 4.18 0.83 72.65
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし他の病院・診療所の病棟からの転院以外 106 21.74 17.33 6.60 88.19
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1②心臓カテーテル法(冠動脈血流予備機能測定等加算あり)あり 手術・処置等2なし 77 3.49 3.27 0.00 74.38
050070xx03x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2なし 48 4.29 4.47 0.00 67.65
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1①心臓カテーテル法あり 手術・処置等2なし 38 3.13 3.07 0.00 72.37

循環器内科の対象となる疾患は、心不全や虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、不整脈、弁膜症、肺塞栓症など命に直結する疾患です。
当科では狭心症・心筋梗塞治療の中心となる「冠動脈インターベンション治療(PCI)」を30年以上前から行っており、安全確実な手技を心がけています。
通常の入院期間は、心臓のカテーテル検査で3日(表中3,5番)、経皮的冠動脈形成術で4日ほど(表中1番)です。
不整脈に対する「カテーテルアブレーション」手術も2016年4月から開始し、 多くの患者さんを治療しています。入院期間は4~5日程度の入院です。(表中4番)
心不全患者さんは全国的に増加しており、ご高齢で併存疾患も多く、退院しても再増悪して入退院を繰り返しやすいことから、心不全パンデミックと呼ばれ大きな問題となっています。(表中2番)
当院では「心臓リハビリテーション」チームで、医師だけでなく看護師や理学療法士、管理栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカーなど多職種で心不全患者さんをサポートし、早期退院、退院後の生活を支える取り組みを行っています。

消化器内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均
年齢
患者用
パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 123 2.80 2.57 0.00 70.53
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 82 8.88 8.88 0.00 76.41
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 71 31.31 20.78 21.13 88.30
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 59 8.17 7.45 1.69 76.83
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 47 7.74 7.60 0.00 66.13

最も症例が多かったのは、大腸ポリープ(腫瘍)に対する内視鏡的切除術(ポリペクトミー・EMR)です。治療は当日入院で1泊2日から2泊3日を標準としています。
次いで総胆管結石・胆管炎に対する内視鏡的治療(除去術・破砕術)、誤嚥性肺炎、早期胃癌に対する内視鏡下早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術(ESD)、 結腸憩室炎の順です。
それぞれの専門分野のエキスパートが切磋琢磨しながらすべての消化器疾患をチーム全体で診療する体制をとっています。
また、内科疾患についてもチーム全体で診療し患者さんをフォローしています。消化器系救急疾患に対しても、当院のERおおつや外科と常に連携し、24時間体制で対応しています。
2021年度に一新した最先端の内視鏡システムを駆使し診療を行い、血管造影装置による肝疾患等に対しIVR治療も行っています。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発

病期分類基準(※1)

版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 74 - - 31 - - 1 8
大腸癌 21 24 45 20 14 23 1 8
乳癌 26 20 19 - - - 1 8
肺癌 23 16 20 23 - 44 1 8
肝癌 - - - - - 46 1 8

  ※1 病期分類基準:UICC TNM分類

5大癌について、初発患者のUICC TNM分類による患者数、および再発患者の患者数を示しています。
患者数は延患者数です。(同一の患者さんが入退院を繰り返したら入院ごとに1人としてカウント)

UICC TNM分類とは、癌の進行度を示す分類法の一つです。
がんがどのくらいの大きさになっているか(T)、周辺のリンパ節に転移しているか(N)、別の臓器への転移はあるか(M)、
この3つの要素を組み合わせてStageが0~IVに決められます。Stageの数値が大きいほどがんが進行している状態です。
(この表にはStage0上皮内癌の件数は記載しておりません。)

当院は、健診センターでの早期発見から、内視鏡および外科的手術治療、化学療法、放射線治療そして緩和ケアにいたるまで、
すべての領域のすべてのステージのがんに、一貫した密度の高いがん診療を提供しています。
手術については、各領域の専門医がからだに優しい高度な鏡視下手術を積極的に行い、適応症例にはロボット支援手術も行っております。

〇乳癌は他の悪性腫瘍に比べて若年での罹患も多いことが特徴です。
当院では女性医師2名が診療にあたっております。手術件数は年間30件以上です。
乳癌と診断された場合、乳房再建を含めた手術療法・薬物療法・リハビリテーション、そして心のサポートなど、
最善の治療方針やスケジュールをご提案いたします。

〇肝癌といった場合、一般的に肝細胞がんを指します。
肝細胞がんは肝細胞が癌化したもので、原発性肝がんの9割以上を占めています。
肝細胞がんは再発しやすいという特徴があるため、治療後のフォローアップが重要となります。

〇胃癌・大腸癌(消化器内科/外科)、肺癌(呼吸器内科/呼吸器外科)については、
「診断群分類別患者数等」および「診療科別主要手術別患者数等」もご参照ください。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均在院日数 平均年齢
軽症 28 8.39 51.93
中等症 87 13.44 74.28
重症 24 22.17 83.58
超重症 - - -
不明 - - -

 ※肺炎の重症度分類「A-DROP」スコアを用いて分類しています。
  Age…男性70歳以上、女性75歳以上
  Dehydration…BUN 21mg/dL以上または脱水あり
  Respiration…SpO2‹=90%(PaO2 60Torr 以下)
  Orientation…意識障害あり
  Pressure…収縮期血圧90 mmHg以下
   5点満点で、1項目該当するごとに1点
  軽症:0点 中等症:1~2点 重症:3点 超重症:4~5点 ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症

18歳以上で、肺炎球菌など主に細菌性の肺炎が集計の対象です。
ウイルス性や誤嚥による肺炎は含まれておりません。
また、市中肺炎とは日常生活をしている人に発症した肺炎をいいます。

入院患者さんのほとんどが緊急入院です。中等症が最も多く全体の約6割を占めています。
中等症以下の場合が多いですが、全体の約2割は重症および超重症です。
重症度が上がるにつれて平均年齢も上がり、平均在院日数も延びる傾向にあります。
体力・免疫力が低下した高齢者では症状が急激に進行することもあるので、いつもと様子が違うなど気になる症状があれば早めに受診しましょう。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 110 23.10 76.96 36.36
その他 11 35.55 68.55 5.79

脳梗塞は脳卒中の一つで、脳の血管が詰まる病気です。
脳卒中は日本人の死亡原因の上位であり、死亡は免れたとしても重い後遺症が残り介護が必要となることが多い疾患です。
脳卒中の治療は早ければ早いほど効果が上がります。
しびれる、ろれつが回らないなど脳卒中が疑われる症状があれば、一刻も早く受診をしましょう。
当院では、脳神経外科と救急診療科・放射線科・リハビリテーション科等が連携し診療を行っています。
約9割とほとんどが発症日から3日以内の入院です。
発症からの時間など条件を満たせば、薬で血栓を溶かしたり、カテーテルを血管に通して血栓を取り除く緊急治療を行います。
入院患者の約4割以上は引き続きリハビリ等のため転院されています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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小児科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K836 停留精巣固定術 51 0.00 0.45 0.00 1.90
K419 頬、口唇、舌小帯形成手術 15 0.00 0.20 0.00 4.20
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 13 0.00 0.46 0.00 4.77
K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア - - - - -
K288 副耳(介)切除術 - - - - -

小児外科でよく見られる疾患は、停留精巣、舌小帯短縮症、鼠径ヘルニア、臍ヘルニアです。
日帰りや1泊入院での手術を行っております。
非常勤医師が対応しておりますが、麻酔科医・手術室・小児科医および小児科病棟との連携も充実しており、安心して手術をお受けいただけます。
2023年12月から現在の小児外科をスタートし、2025年5月末で手術件数が180件を超えました。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 100 1.45 8.82 5.45 65.52
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 39 0.46 4.33 0.00 39.56
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 38 0.95 2.76 2.63 65.11
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 24 2.92 10.33 8.33 73.75
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 23 0.39 1.96 0.00 69.65

『キズが小さく痛みの少ない患者さんに優しい腹腔鏡手術』を積極的に取り入れています。
麻酔科の協力のもと胃がん・大腸がんなどの悪性疾患、胆石症や鼠径部ヘルニアなどの良性疾患、さらに虫垂炎や急性胆のう炎などの救急症例を含め、腹腔鏡手術を可能な限り積極的に施行できる体制を整えています。
さらに実施件数が最も多い胆嚢摘出術に対しては、従来の腹腔鏡手術に比べても術後疼痛と整容性の面で優れている単孔式手術を行っております。

当科では、あらゆる外科領域の疾患に対して24時間オンコール体制により緊急手術に備える一方、消化管がん・肝胆膵領域がんに対しガイドラインとエビデンスに基づいたハイレベルな外科治療を、患者さん一人一人のご要望に応じて提供できるよう、工夫しています。
胃がん・結腸・直腸がんの適応症例には、従来法よりも精緻なロボット支援手術を積極的に行っております。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 102 1.74 28.39 56.86 80.94
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 69 1.39 26.71 59.42 83.39
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 53 2.23 10.45 11.32 67.08
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 32 3.75 2.41 0.00 57.56
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 29 0.97 27.79 13.79 71.86

高齢化を反映して、大腿骨近位部骨折が多くなっています。
大腿骨近位部骨折とは、脚の付け根(股関節)で生じた骨折を言います。
大腿骨(ふとももの骨)の一番上の球形をしている部分を骨頭と呼び、そのすぐ下の細くなった部分を頚部と呼びます。頚部はさらに太くでっぱった部分につながり、このでっぱった部分を転子部と呼びます。
骨折の部位により、大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折と言います。
手術は骨折の部位によっても異なりますが、主に骨接合術(表中1番目に多い手術)か人工骨頭置換術(表中2番目)のいずれかの方法で行われます。
骨接合術は、骨を金属などの器具で固定して、骨折部分をくっつける手術です。
人工骨頭置換術は、骨折した頚部から骨頭までを切除して、そこを人工物に置き換える手術です。
麻酔科の協力のもと当日緊急手術を含め受傷後数日以内に臨時手術が可能です。術後は急性期リハビリテーションを提供し早期復帰を支援しています。
近年増加している高齢者の大腿骨近位部骨折に対しては、早期手術と地域連携パスを活用した回復期リハビリ病院との診療連携により、安心で質の高い医療を提供する体制を構築しています。

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 24 0.79 9.92 20.83 79.13
K6092 動脈血栓内膜摘出術 内頸動脈 14 2.57 16.50 21.43 77.21
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 13 1.46 23.54 15.38 67.54
K6101 動脈形成術、吻合術 頭蓋内動脈 12 2.92 27.50 50.00 71.75
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 11 4.64 11.27 9.09 70.00

「慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術」は、局所麻酔を行い頭蓋骨に小さな穴を開け、その穴からシリコン製のドレーンチューブ(体内に挿入し留置する管)を挿入し血腫を排出させ、場合によっては洗浄を行う手術です。

「動脈血栓内膜摘出術」は、内頚動脈の狭窄および塞栓形成の原因である動脈硬化(プラーク)を外科的に切除する手術です。
脳へ血液を送る内頚動脈が狭くなり、そこに血栓が飛んできて詰まってしまうと血管側の脳が広範囲に壊死してしまいます。
これを未然に防ぐために内頚動脈を切開しプラークを取り除く手術です。

脳動脈瘤は、脳血管の枝分かれ部分にできるコブや紡錘形に膨れた部分で、脳血管の壁が弱くなることで形成されます。
未破裂の状態では無症状であることが多いですが、一度破裂し、くも膜下出血を起こせば約半数が死亡してしまいます。
「脳動脈瘤頚部クリッピング術」は、破裂する危険がある未破裂脳動脈瘤について、開頭し脳動脈瘤の根元をクリップで閉鎖することで破裂を予防する手術です。
また破裂し、くも膜下出血を発症した場合の最大の死因となる再破裂による出血を予防するために発症急性期に行うこともあります。

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 16 2.44 8.94 0.00 68.88
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 11 3.64 3.18 0.00 42.91
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 10 2.30 7.60 0.00 72.00
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 - - - - -
K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除 - - - - -

「患者さんに優しい治療」をモットーに、呼吸器外科の手術に関しては、ほとんどが胸腔鏡での侵襲の少ないアプローチで行っております。
胸腔鏡下手術は、術後の疼痛が少ないため早期回復が期待でき、入院日数の短縮、早期の社会復帰が可能です。

肺は、右側が3つ(上葉・中葉・下葉)、左側が2つ(上葉・下葉)の「肺葉」に分けられます。さらに、右肺は10、左肺は8の「区域」に分けられます。
肺悪性腫瘍手術は病変の部位・大きさによって、部分切除、区域切除、肺葉切除、肺全摘のいずれかに決定します。
画像診断の進歩に伴い小型の肺がんが発見され悪性度も評価がされるようになり、悪性度が低い病変では呼吸機能を温存する縮小手術(部分切除・区域切除)が選択されます。
当院では、肺がんの根治性と肺機能の温存とのバランスを考慮した手術法を適用しています。

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 18 1.22 1.61 5.56 73.44
K597-2 ペースメーカー交換術 14 1.00 3.57 0.00 83.00
K617-6 下肢静脈瘤血管内塞栓術 10 0.50 1.00 0.00 71.80
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 - - - - -
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 - - - - -

末梢動静脈瘻造設術は、腎不全に対する代替え療法として行う人工透析に必要なシャントを作成する手術です。
一般的には上肢の動脈と静脈を吻合して内シャント(太い血管)を作成することにより、人工透析が可能となります。
入院の診療科が内科(腎臓内科)等になる場合もありますので、他科も合わせると約30人に当該術式を実施しています。

下肢静脈瘤においては、低侵襲で高周波ラジオ波やレーザーを用いて血管内を焼灼したり、接着剤(グルー)を用いた治療を行っております。入院期間は1~3日程度です。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 207 0.03 1.01 0.00 76.22
K2173 眼瞼内反症手術 眼瞼下制筋前転法 - - - - -
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm未満 - - - - -

白内障の手術が最も多いです。
白内障手術は、水晶体の濁りを取り除き、人工の水晶体を移植する手術を行います。
白内障の進行や他の合併症の有無によって個人差がありますが、通常の場合、手術時間は10~30分程度となっています。
入院期間は片眼で1泊2日です。また、健康な方で家族の協力が得られ通院が可能な方であれば日帰り手術も選択できます。
白内障の手術件数が圧倒的に多いですが、そのほか眼瞼下垂や内反症などの眼瞼手術、翼状片手術なども行っています。

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 25 0.92 6.84 0.00 23.92
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) 14 1.00 4.86 0.00 57.71
K368 扁桃周囲膿瘍切開術 11 0.27 6.00 0.00 45.73
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの) - - - - -
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - -

手術については、鼻・副鼻腔疾患、口腔・咽頭疾患、頭頚部腫瘍など幅広い領域で行っています。
特に鼻科手術・甲状腺手術を積極的に取り組んでいます。

「口蓋扁桃摘出術」は、扁桃炎を頻回に繰り返す習慣性扁桃炎、慢性扁桃炎に起因するIgA腎症や掌蹠膿疱症を生じる病巣感染症、嚥下障害や呼吸障害を伴う扁桃肥大などが適応です。(表中1番目)
全身麻酔で行い、入院は1週間程度です。

慢性副鼻腔炎に対し行う「内視鏡下鼻・副鼻腔手術」は、鼻腔から各副鼻腔へのアプローチによりKコードが細かく分類されています。(表中2番目・5番目)
鼻には副鼻腔という4つの空洞(前頭洞・篩骨洞・上顎洞・蝶形骨洞)があり、小さな入り口が鼻腔に開いています。
アレルギーやポリープなどが原因で、その入り口が塞がると、副鼻腔内の換気が悪くなり、中にたまった膿が排泄できなくなります。
それにより鼻汁が続いたり鼻閉、頭痛、嗅覚障害、顔面痛が出現したりします。
手術は、その入り口を広げて副鼻腔と鼻腔との換気排泄をよくすることを目的とします。
こちらの手術も全身麻酔で行い、入院は1週間程度です。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 49 0.96 4.69 0.00 74.39
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 39 3.05 4.69 5.13 64.85
K8411 経尿道的前立腺手術 電解質溶液利用のもの 28 0.75 6.18 0.00 75.64
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 21 2.76 11.52 0.00 73.10
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 18 1.39 10.39 0.00 76.56

最も多い手術は、早期膀胱癌に対して尿道から内視鏡を挿入し、腫瘍部分を切除する手術です。
次いで2番目が、腎結石や尿管結石に対して尿道から内視鏡を腎、腎盂または尿管内に挿入し、電気水圧衝撃波、超音波またはレーザーなどで結石を破砕し摘出する手術です。
3番目が、前立腺肥大症に対して尿道から内視鏡を挿入し、電解質溶液を利用して肥大した前立腺を尿道粘膜とともに切り取る手術です。
4番目が、前立腺癌がんの手術です。当院では2014年6月より「ロボット支援腹腔鏡下根治的前立腺全摘除術」を行っています。ロボット支援手術は、ロボット支援技術を加えることで複雑な手術手技をより安全に行うことを可能にした手術機器です。患者さんにとっては、傷口が小さい・出血量が少ない・術後の痛みが軽く早期の社会復帰が可能というメリットがあります。
5番目が、結石などによる理由で尿管が狭くなったものに対して、尿道から内視鏡を挿入し狭くなった箇所にステント(チューブのようなもの)を留置し、尿管を広くする手術です。

腹腔鏡手術を積極的に取り入れ、いずれの手術においても低侵襲性と早期術後回復が期待でき、安全な治療を心掛けています。
また、前立腺がんのほか腎がんなど適応症例にはロボット支援手術を行っています。

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 84 2.48 3.73 0.00 72.96
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 36 1.00 2.19 0.00 68.36
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 31 1.45 2.13 3.23 71.90
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 23 2.96 14.35 0.00 74.09
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 12 0.00 17.25 0.00 75.08

経皮的冠動脈ステント留置術、経皮的冠動脈形成術(表中1,3,5番)は、狭心症や心筋梗塞に対して、その原因となっている冠動脈の狭窄・閉塞部を血管の中からバルーンおよびステントで拡張する治療です。
経皮的カテーテル心筋焼灼術(表中2番)は心房細動などの不整脈に対して、アブレーションカテーテルから高周波電流を流し、不整脈回路を焼灼することによって不整脈を封じる治療です。
四肢の血管拡張術・血栓除去術(表中4番)は、下肢の血流障害による歩行障害や足指の難治性潰瘍に対して、その原因となっている動脈の狭窄・閉塞を血管の中からバルーンやステントで拡張する治療です。
循環器内科では、上記以外にも心停止や急性心筋梗塞、致死性不整脈、重症肺塞栓、急性心不全などの患者さんにERおおつ、ICUと連携して24時間、365日対応し、目の前の命を救い、社会復帰や歩いて自宅退院できることを目指し治療を行っています。

消化器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均
年齢
患者用
パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 115 0.45 1.85 0.87 69.97
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 67 1.57 12.12 5.97 78.85
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 60 3.05 8.05 1.67 77.63
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 30 0.83 5.00 0.00 72.47
K654 内視鏡的消化管止血術 29 0.24 15.76 10.34 75.41

内視鏡的大腸ポリープ切除術は、内視鏡の先端にスネア(輪状のワイヤー)をセットし、大腸のポリープに対してスネアを引っかけて切除、または高周波電流によって切除する手術であり、消化器内科で最も多い手術です。
 (一般病棟以外でも内視鏡的大腸ポリープ切除術は多く実施していますので合わせると200件を超えます。)
内視鏡的胆道ステント留置術は、総胆管結石、胆管がんなど何らかの原因で胆道が狭くなり胆汁の流れが滞ることで黄疸や細菌感染症(胆管炎)が生じてしまうため、胆汁を腸管へ流すために内視鏡にてステント(チューブのようなもの)を留置する手術です。
内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術は、早期胃癌に対し内視鏡にて粘膜下層まで一括で切除する手術です。
早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術は同様の手術を早期大腸癌に対して行う手術です。(消化管壁の構造は、内側から粘膜、筋層、漿膜の3層から構成され、粘膜下層は粘膜と筋膜の間の層です。)
内視鏡的消化管止血術は、主に食道や胃、十二指腸、直腸から出血したときに行う手術です。特殊なクリップを用いた止血(クリッピング術)や広範囲に浅く熱を加えて表面を焼く止血(APC焼灼)などがあります。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 38 0.58
異なる 32 0.49
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 13 0.20
異なる - -

〇敗血症
敗血症の原因は感染です。細菌などの微生物による感染により生じた炎症が、発熱や脈・呼吸が速くなるなど全身に影響を及ぼします。
高齢者や悪性腫瘍・糖尿病・自己免疫性疾患などの病気がある方は、敗血症になるリスクが高くなります。
ICUでの全身管理が必要な場合もあり、重症になると肺・循環・腎臓・肝臓など多数の臓器が障害され死に至る場合があります。
当院では、発症患者の2割程度が死亡退院となっています。

入院契機と「同一」とは、入院時には発症しておりその病気を治療目的として入院した場合、入院契機と「異なる」とは、併発していたか入院中に発症した場合などが考えられます。

〇手術・処置等の合併症
手術・処置後の合併症には細心の注意を払っておりますが、どうしても一定の割合では起こり得ます。
ただし、合併症といっても術後の出血や縫合不全・創部感染といったものだけではなく、
この分類の中には、透析シャントのトラブルや人工関節のズレなど時間の経過とともに起きてしまうものも含まれます。

入院契機と「同一」とは手術・処置後後日入院となった場合、入院契機と「異なる」とは入院中に発症した場合などが考えられます。
2023年度と比べ、発生率は半減しています。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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分母:肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数

分子:分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数

リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率

741 707

95.41

肺血栓塞栓症とは、下肢の深部静脈にできた血栓が血流によって肺まで運ばれ、肺動脈に血栓が詰まってしまう重篤な病気です。
手術を受けられる患者さんは、手術後ベッド上で安静にしていることから血栓ができやすく、肺血栓塞栓症を発症する危険性がより
高くなります。
これを予防するために、弾性ストッキングの装着や間歇的空気圧迫装置の使用、抗凝固療法などを術式や患者さんの状態にあわせて
実施します。
周術期の肺血栓塞栓症の予防対策の実施は、発生率を下げることにつながります。
実施率が高いほど積極的に予防対策ができているといえます。

※なお、当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

血液培養2セット実施率

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分母:血液培養オーダー日数

分子:血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数

血液培養2セット実施率

3244 2560

78.91

血液培養検査の目的は、血液中に侵入した細菌や真菌などの起因菌を検出することです。
広域抗菌薬を使用する際、投与開始時に血液培養検査を行うことが望ましいとされています。
血液培養は、1セットのみの場合に偽陽性となることがあり、精度の高い結果と過剰治療を防ぐために2セット以上行うことが推奨されています。

※なお、当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。
また、令和6年度には世界的な血液培養ボトルの供給不足が発生していた。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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分母:広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数

分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数

広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率

462 401

86.80

近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌が出現し、難治症例が増加していることが問題となっています。
不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になります。
抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です 。
当院においても、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)が週1回カンファレンスを行い、抗菌薬使用量の把握や微生物検査の体制整備など抗菌薬の適正使用に関する活動をしています。

※なお、当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

転倒・転落発生率

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分母:入院患者延べ数

分子:転倒・転落の発生件数

転倒・転落発生率

109040 519

0.48

医療安全管理部門(医療の質・安全管理室)へインシデント・アクシデント報告が提出された入院中の転倒・転落の発生割合です。
入院中の患者の転倒やベッドなどからの転落は少なくありません。
入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまな原因が考えられます。
医療安全管理部門を中心に事例分析を行い、導かれた予防策を実施し、転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒による傷害予防につながります。

※なお、当該項目の値は低い方が好ましいものではあるが、受け入れている疾患や医療安全管理部門の管理体制など医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率

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分母:入院患者延べ数

分子:インシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数

転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率

109040 12

0.01

医療安全管理部門(医療の質・安全管理室)へインシデント・アクシデント報告が提出された入院中の転倒・転落件数のうち、
インシデント影響度分類レベル3b以上の発生割合です。

インシデント影響度分類レベル3b以上とは、以下のような傷害の状態です。
  レベル3b:濃厚な処置や治療を要した(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、骨折など)
  レベル4a:永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない
  レベル4b:永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う
  レベル5:死亡(原疾患の自然経過によるものを除く)

当院では集計期間中、レベル4a以上の転倒・転落は発生しておりません。

手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率

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分母:全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数

分子:分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数

手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率

1315 1313

99.85

予防的抗菌薬投与とは、現在、細菌感染を起こしていないが、手術後の感染をできるだけ防ぐために、あらかじめ抗生物質を投与することをいいます。
開胸や開腹を伴う手術等は、手術開始直前に抗菌薬を点滴などで投与することにより、手術後の感染を抑えることが期待されています。

※なお、当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率

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分母:退院患者の在院日数の総和

分子:褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数

d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率

80478 123

0.15

1日入院と入院時すでに褥瘡を持っていた患者を除いた退院患者数に対する、DESIGN-R2020の「深さd2(真皮までの損傷)以上」の褥瘡が入院中新たに発生した割合です。
DESIGN-Rとは日本褥瘡学会から発表された褥瘡状態判定スケールです。

褥瘡とは、寝たきりなどにより体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。
褥瘡は、看護ケアの質評価の重要な指標の1つとなっています。
褥瘡は患者のQOL低下をきたすとともに、感染を引き起こすなど治癒が長期に及ぶことによって、結果的に在院日数の長期化などにつながります。

当院では、皮膚科医、皮膚・排泄ケア認定看護師、病棟看護師などからなる褥瘡回診チームが週1回、褥瘡が発生した患者や褥瘡があり入院された患者の治療やケア方法、評価を行うため褥瘡回診を実施しています。
褥瘡の治療のみではなく、褥瘡発生を予防することにも力を入れて活動をしています。

※なお、当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合

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分母:65歳以上の退院患者数

分子:分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数

65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合

4368 1359

31.11

早期に低栄養リスクを評価し適切な介入をすることで、在院日数の短縮、予後 改善につながります。

※なお、当該項目は医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

身体的拘束の実施率

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分母:退院患者の在院日数の総和

分子:分母のうち、身体的拘束日数の総和

身体的拘束の実施率

84505 5367

6.35

身体的拘束とは、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限を指します。
施設や医療機関などで、患者を「治療の妨げになる行動がある」あるいは「事故の危険性がある」という理由で、安易にひもや抑制帯、ミトンなどの道具を使用して、患者をベッドや車椅子に縛る等の身体的拘束は慎むべきものです。
身体的拘束は、制限の程度が強く、また、二次的な身体的障害を生ぜしめる可能性もあるため、代替方法が見出されるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければ ならないものとされています。

当院では、医師(精神・心療内科)、看護師(認知症看護認定看護師)、薬剤師、リハビリ、医療ソーシャルワーカーで構成された「身体拘束最小化チーム」が、認知症せん妄ケアチームと兼務し、各病棟での拘束の実施状況を把握しながら、身体拘束等の適正化を目指すための取り組み等の確認、改善を検討する活動を行っています。

※なお、当該項目の値は低い方が好ましいものではあるが、受け入れている疾患など医療機関の性質ごとに異なるため、他医療機関の値との単純比較は困難である。

 

更新履歴

2025/9/30

2024年度DPCデータに基づく『病院情報の公表』アップしました。