確かな技術で、より精密でからだにやさしい手術を実現
2022年12月、最新の『da Vinci Xi』に更新しました
内視鏡手術支援ロボット『da Vinci』は、従来の腹腔鏡手術の欠点を克服し、ロボット支援技術を加えることで、複雑な手術手技をより安全に行うことを可能にした手術機器です。操作用ピット(サージョンコンソール)に座った術者がマスターコントローラを操作すると、その動きに従ってペイシェントカートに接続されている鉗子が動作する仕組みになっており、患部を鮮明かつ広視野な3D画像で映し出し、これまでは人間の手では不可能といわれてきた角度からの手術操作も可能にしました。
また、手振れ補正機能などを備えたロボットアームは、人間の手とは比較にならないレベルでの細かな動作が可能で、正確で安全な手術を行うことができます。
さらに、患者さんにとっては開腹手術と比較して
というメリットがあります。
ペイシェントカート
コンソール
鉗子
当院は、2014年5月に内視鏡手術支援ロボット『da Vinci(ダ・ヴィンチ) Si』を導入しました。
同年6月には、当院における第一症例となる、『da Vinci』を用いた「前立腺がん全摘除術」を行い、2019年度末までで214例実施しました。2016年度診療報酬改定で『da Vinci』を用いた腹腔鏡下腎部分切除術が、2018年度診療報酬改定では腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術が保険適用となりました。当院においても適応症例には積極的にロボット支援手術を行っています。
また、2015年3月には滋賀県内の医療機関で初めて、『da Vinci』による胃がん摘出術に成功し、2016年6月には当院の胃がんに対するロボット支援手術が先進医療として厚生労働省の認可を受けました。
2018年7月より、膀胱がんに対するロボット支援手術(腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術)が保険適用になり、2020年11月より、直腸がんに対するロボット支援手術が保険適用になりましたました
今後はさらに適用対象範囲が広がっていくことが期待されます。
診療科 | 疾患名 | 件数※ |
---|---|---|
泌尿器科 | 前立腺がん | 251 |
腎がん | 80 | |
膀胱がん | 37 | |
腎盂形成術 | 13 | |
仙骨膣固定術 | 18 | |
外科 | 胃がん | 60 |
直腸 | 41 | |
呼吸器外科 | 肺がん | 5 |
当院では2018年4月に"若手医師が実臨床で術者たりうる鏡視下手術の基本技術を身につけるためのトレーニング施設"および"若手・中堅医師が各学会における腹腔鏡手術の技術認定医取得を目指すトレーニング施設"として先進的なドライラボセンター「高度鏡視下手術トレーニングセンター」を設立し、さらに安全かつ低侵襲で治療効果の優れた鏡視下手術を実施できる医師の育成に努めています。